製造物責任とは
- 過失よって他人に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任が生じます。
加害行為に過失があったことを立証する義務は、被害者が負っています。これが民法上の不法行為責任の原則です。
ところが、欠陥製品の事故によって損害を被ったときには、その製品の製造業者等に対して「製品の欠陥」を要件として損害賠償責任が認められます。この損害賠償責任を通常「製造物責任(PL)」と呼んでいます。過失を要件としないことから、「欠陥責任」、「無過失責任」とも称されます。
製造物責任制度のあらまし
- 日本の製造物責任法は欠陥責任主義に立脚し、製造という行為によってその製品から危険を生じさせた者が負担すべき責任を定めています。概要は以下の通りです。
- 1.製造物の定義
製造または加工された動産(有休物)をいいます。土地・建物等の不動産、電気や熱、ソフトウェア等は対象となっていません。
2.欠陥の定義
製造物が通常有すべき安全性を欠いている状態をいいますが、その製造物の特性、使用形態、引渡しの時期等の事情を考慮して判断されます。
3.責任主体
法律では「製造業者等」となっています。具体的には、次の業者等を指します。
①「製造業者」・・・製造物を製造加工する業者のことです。完成品メーカーはもとより、原料メーカー等も該当します。
②「輸入業者」・・・製造物を外国から輸入して、日本国内に流通させる業者をいいます。
③「表示製造業者」・他人の製造物に自らの氏名や商標を表示して販売するブランド・ディーラー、「発売元」等の表示をした業者等が当たります。
製造物賠償責任保険とは
- この保険は、被保険者(補償の対象となる方)が製造または販売した生産物に起因して、保険期間中に日本国内で他人にケガをさせたり、他人の財産を破壊したことによって、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担する場合にお支払いします。
- 賠償事故の例
・全国で販売される食品が細菌に汚染され、食中毒が発生した。
・調合ミスのあった化粧品で皮膚がカブれ通院した。
・配線ミスのある家庭用電化製品から出火し、家財が焼失した。
・家具や玩具の欠陥が原因で、幼児が大ケガをした。
・製造時、照明器具の吊具に亀裂があり設置後、落下事故が発生し、下にいた人にぶつかって大ケガをした。
・欠陥配線の機械が突然ショートし、作業員がショック死した。 - お支払いする保険金
1.被害を受けた方にお支払いする損害賠償金(治療費や修理費など)
2.裁判、仲裁、和解などに要した費用(弁護士報酬などの争訟費用)
3.被害者を救済するための応急手当、緊急措置に要した費用 など - お支払いできない主な損害
次の賠償責任を負担することによって生じた損害は、保険金お支払いの対象となりません。
・保険契約者、被保険者の故意による損害
・戦争、変乱、暴動、騒じょう、労働争議による損害
・地震、噴火、洪水、津波等の天災による損害
・契約により加重された賠償責任よる損害
・生産物のかしに起因する当該生産物の損壊自体(生産物の一部のかしによる当該生産物のほかの部分の損壊を含みます。)の賠償責任。
・故意または重大な過失により法令に違反して生産、販売、引き渡された生産物に起因する賠償責任
・生産物またはこれが一部をなす財物の回収措置(回収、検査、修理、交換、その他の適切な措置)に要する費用
・日本国外で生じた事故による損害 - 保険の対象となる「生産物」とは、その製造日や販売日に関係なく、保険期間中に生じた賠償事故であれば担保されます。したがって、特に約定しない限り、過去に製造販売された物が原因で発生した賠償事故も原則として対象となります。
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